医療法人においては、2017年4月2日以降に開始される会計年度より、一定規模以上の医療法人において「医療法人会計基準」が適用され、公認会計士または監査法人による会計監査制度が導入されました(医療法第51条第5項)。
また、社会福祉法人においては、2016年4月1日以降開始される会計年度より、「社会福祉法人会計基準」が適用され、2017年4月1日以降に開始される会計年度より一定規模以上の社会福祉法人(特定社会福祉法人)において公認会計士または監査法人による会計監査制度が導入されました(社会福祉法第45条の28第2項第1号及び社会福祉法施行規則第2条の30第1項)。
一定規模以上の医療法人及び社会福祉法人については外部監査が必要であり、それに伴い病院・施設・拠点内における会計・事務処理手順及び内部統制などを整備することが必要とされております。
監査が必要な規模の基準
- 社会医療法人以外の医療法人
最終会計年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円以上又は損益計算書の事業収益の部に計上した額の合計額が70億円以上である医療法人 - 社会医療法人
最終会計年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が20億円以上又は損益計算書の事業収益の部に計上した額の合計額が10億円以上である社会医療法人 - 社会福祉法人
第1段階(2017年度、2018年度)は、収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人(施行済)
第2段階(時期未定)は、収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人
第3段階(時期未定)は、収益10億円を超える法人又は負債が20億円を超える法人
ただし、第2段階以降の段階施行の具体的な時期及び基準については、各年度の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討するとされています。 - 監査法人の選定タイミング
監査契約締結前に予備調査を受けるケースが一般的ですが、その調査後の体制整備の改善期間をある程度確保する必要があります。また、監査初年度は期首残高の監査が必要となりますので、監査対象年度に入る前に監査法人を選定することが望まれます。ヘルスケア事業分野の市場規模は高く推移しており、会計監査の重要性が増していますが、国内では医療法人の株式会社化が長年見送られてきた背景もあって、早い段階から内部統制等の強化・基準化を推進するなど、その透明性を図っていくことが重要となります。
海南監査法人は、会計や内部統制及びガバナンス体制の強化に対して指導機能を発揮します。